半誘拐、半レイプ?。
ふと、思い出したこと。
わたしが以前、夫婦喧嘩の際に旦那に言われたこと。
お前みたいな奴はなぁ!
何処の馬の骨かも分からない奴の所に行って、
良いように使われて騙されて
挙句の果てには殺されて、どっかの山に捨てられんだよっ!
その当時、確かにわたしは、‘見えない相手’にお熱を上げていて、それがバレての彼のそういう発言があったわけだけど。
言われた時は煮えくり返りそうになりながらも、そうかもしれないな、なんて思った。
わたしってお馬鹿だし、良いこと言われれば誰でもすぐに信用しちゃうし、それまでも騙された、とまではいかないけど、確かに付き合ってきた男の人に『良いように』使われて捨てられてきた。
でも、今思うと。
彼がわたしにそう言ったのは。
自分もわたしにそうしてきたからなのだ。
『夫婦』という肩書きがあるから、何となく許されて誤魔化されてきただけのことであって。
出会った頃を思えば、彼もそれまでの男達とは変わらないのだ。
初めて彼と出会った夜。
べろんべろんに酔っ払っていたわたしに、家まで送ってあげる、と車の窓越しに彼は言った。
最初は面倒臭いナンパだと思って断った。
丁度その頃、不倫していた相手におもいっきりフラれたり、前の彼氏に散々嘘をつかれていたという事実を知ったり、会社でも嫌な事があったりで、酒を飲まずにはいられない、みたいな感じだった。
それでぐでんぐでんになって、とろとろ歩いて帰っていた時だったので。
話しかけんな、が正直な気持ちだった。
彼は諦めた様子で一度は走り去ったんだけど。
また再び戻ってた。
「向こう側に変な車があんたのことをずっと見てたし、やっぱり送るわ」
後から冷静に考えればそんな車がいたのかどうかは分からないけど、かなり酔っていたわたしはその彼の言葉をそのまま信じてしまった。
「後部座席だったら、心配ないだろう?」
そう言われて妙に納得したわたしは、『この人は良い人だ~』なんて思って疑うことなくそのまま後部座席に乗り込んだ。
「もう少し、飲むか?」
嫌なことだらけだったわたしは殆どやけくそになっていたから、その言葉にうん、と頷いた。
彼はコンビニに寄ってビールやら何やらを買ってきて、後部座席のわたしに手渡した。
「飲み終わったら、送るよ」
確か、そんなような事を言われた気がする。
彼との会話は、覚えていない。
ビールを飲んでいる間、彼の車が何処を走っていたのかも覚えていない。
ただわたしは、その時の自分に起こっていた嫌な事を口から滑り出すまま独り言のように話し、車は自分の家の近所をくるくると、だらだらと走っているものだと思っていた。
話し込んでいるうちに、何だかよく分からないけど勢いで助手席に移動したのは覚えている。
そして散々酒を浴びたわたしは、酔いと眠さに負けてしまいいつの間にか眠りに落ちてしまった。
そして、ふと目が覚めると。
朝方なのか、周りがぼんやり明るい。
家に居るはずのわたしは、何故かまだ車の中に居た。
車の窓から見える景色は、今までに見覚えの無い何処かの山の中。
・・・なんか、重い。
そう。彼がわたしに覆い被さり、わたしの唇に彼の唇を押し付けている。
・・・唇、気持ち悪い。
胸を揉み、わたしのジーンズのジッパーを下ろす。
・・・なんか、変なことになってる。
急に恐怖も、わたしを襲ってきた。
・・・このまま『良いように』やられちゃって、殺されちゃって、誰にも分からないままこの知らない山の中に捨てられちゃうかもしれない。
けれどそう思うのと同時に、もうどうなってもいいや、って投げやりな気持ちにもなったのはほんとで。
どうでもいいや。どうでもいいはずだったんだけど、この期に及んでもやっぱりここで終わりたくないという思いもあったんだろう。
・・・やめて。
頭の中の言葉が、ちゃんと口から音となって出てきたみたいで。
彼はその先の行動に移るのを止めた。
そしてその後は、今度はほんとにわたしの家まで送ってくれた。
彼はわたしを部屋の中まで運び、わたしのポシェットに携帯の番号を忍ばせてわたしの家を後にしたらしい。
その辺の記憶は定かではない。
彼との出会いってば、そんなもんだった。
つまり彼も最初から、わたしを『良いように』しようとしたわけだ。
そんな、表面だけで少し優しくしてくるような他人にへらへら付いていくわたしの姿を目の当たりにしているから、胸を張ってわたしのことを罵ることが出来たのだ。
のちにこの出会った頃の話に触れると、彼はわたしがその時酔っていたのを良いことに、事実を曲げて『あの時はお前から誘ってきたんだ』なんて言ってたけど。
彼の機嫌を損ねないように、そうだったかな(笑)?なんて話を合わせていたけど。
・・・適当にセックスしてその時の欲求を晴らしたかっただけなんでしょ?やれずじまいで終わっちゃったけどね。
だってわたし。
その当時はほんとに不細工だったんだから。
どう見ても男の人が、ナンパしよう、って気は起こらない容姿。
服装だって、全然おしゃれしてなかったし。
彼の『良いように使われて騙されて、挙句の果てには殺されて、どっかの山に捨てられんだよっ!』っていう言葉は。
初めてわたしに出会ったその夜の、わたしに対して思ったことなんだろう。
殺されず、山に捨てられなかったわたし。
生き延びたわたし。
今頑張れることをやっておこうじゃないか。
生きている、っていうことは、いろんなチャンスがある、ということでもあるのだ。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)


最近のコメント